20年目の育成講座 in ティー・エス・テックの森

まちのきこり人育成講座

こんにちは森林の風事務局です。
今年で20回目を迎える「まちのきこり人育成講座」も、いよいよ佳境を迎えています。
第5回目となる今回のテーマは、「チェンソーによる立木の伐倒」です。
今年は雨に悩まされる日が多かったのですが、この講習日は幸いにも天候に恵まれました。

今回の「まちのきこり人育成講座」の参加者は、数年ぶりに定員割れとなりました。
これまで好調に推移し、特に最近では女性参加者が全体の3割を占めるほどでしたが、今年は1名のみの参加となりました。

全国的な林業従事者の数は平成27(2015)年から令和2(2020)年にかけて横ばいに転じ、
約4.4万人となって、その内女性の林業従事者は、直近では約3千人(全体の約6%)となっているそうです。

林野庁によると、女性の視点を活かした加工・ブランディング・販売活動には、森林資源の新たな価値を創出する可能性が秘められています。このため、森林・林業の発展には、女性がその潜在力を最大限に発揮できる環境づくりが重要とされています。
また、近年では森林所有者とのコミュニケーションや施業プランニングの重要性が高まっており、「女性の森林施業プランナー」の誕生もその一例です。

育成講座の講師としてお招きしている黒滝村森林組合の梶谷さんが、以前に女性林業従事者について次のようにお話しされていました。
「僕たちが見えていない部分に気づいてくれたり、細やかな気遣いをしてくれたりと、女性ならではの視点が林業の現場に入ることはとても大きな変化だと思います。男だけだったら力任せでやってしまうことも多いですが、女性の方はそれができないからこそ、道具を使ったり、回数を分けたりと別の方法を模索します。そうした方法は、女性だけでなく、誰にとっても安全に仕事を進める手段になるのです。女性の仕事ぶりを見ていると、僕たちも学ぶところが多くあります。結果として現場の雰囲気がとても良い方向に変わりました。」

当団体にも数名の女性会員が在籍していますが、より多くの女性に参加いただけると嬉しい限りです。
現場作業班としての活動に限らず、「森についてもっと知りたい」「何か新しいことに挑戦したい」といった、多様な視点で森林に関心を持ち、行動していただける女性が増えればと願っています。また、女性の視点を活かし、森林の新しい価値を発掘することで、真に持続可能な林業の実現につながると考えています。

林業に従事している女性や関心を持つ女性で構成されるサークル「林業女子会」は、現在国内外に25団体が活動しています。地域によって活動内容も多様化しており、それぞれの特徴を活かした取り組みが展開されています。当団体も、基幹事業である「企業の森」の更なる発展を目指し、企業と協力しながら女性ならではの視点やアイデアを活かした事業を模索していきたいと考えています。

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