こんにちは森林の風事務局です。さて、残すところあと1回となった育成講座ですが
本日は特別講師の川島潤一氏(山造舎)をお招きして器具を使った、かかり木処理の
対処方法などの講習をしていただきました。
午前中は伐倒における安全対策、注意事項についての講義。その後、コメダの森に
移動してチルホール等の器具を用いて立木の伐倒デモと実習を行いました。
山で伐採していると、必ず起こるのが「かかり木」です。特に、ヒノキは枝が強いので
よく起こります。「かかり木」というのはチェーンソーで伐採した木が予期せぬ方向に
倒れかかってしまい、木の先端が地上まで落ちてこない状態をいいます。かかり木の放置
による災害も毎年のように起きています。
かかり木の処理は、細心の注意を払って作業します。かかり木の処理は、伐倒作業の中で最も
危険な作業の一つです。かかり木とならないよう、正しい伐倒が大切ですが万が一、
かかり木となってしまったときは、安易な対応を避け、慎重な処理を心掛けます。
かかり木を処理する方法として「チルホール」を使う方法があります。本日の講習では
チルホール等の器具を用いて安全に処理する方法を学びます。
木の伐採作業では、木の重心よる向きが倒木方向に大きく影響します。
これに逆らって異なる方向に伐採するためには、チルホールを用います。
チルホールを用いた伐採作業では、通常の伐採に関する技術と、
チルホール及び使用する各種資材に関する知識が必要となります。
チルホールによる牽引1箇所を控えワイヤーとして使用することで、倒木方向を180度
の範囲に制限することができ、単に倒木方向を変えるだけでなく、作業者の安全を確保
するためにも利用されます。(牽引している反対側には倒れない。)
チルホール設置手順の要約としては
◯チルホールを固定する木を選定する
● 伐倒木が倒れてきても安全な位置の木を選定する● 牽引力に耐えられる木を選定する
◯リングベルトを木に回し、絞るようにしてアイにチルホールのフックを固定します。
◯伐倒する木にスリングベルトを回し、絞るようにしてアイにワイヤーのフックを
固定します。
●チルホールを使用して伐採する時に重要なのが、切り手とのコミュニケーションです。
切り手と密にコミュニケーションを取りながらチルホールを操作します。
その他、プラロックというチルホールによく似た牽引器具も使います。プラロックは
チルホールより軽量で運びやすいのですがその分、牽引力も弱くなります。
いよいよ次回の安全衛生講習にて「まちのきこり人育成講座」は終了になります。
多くのきこり人が育ってそれぞれの地域の山を守ってこの国の環境保全に繋がれば良いなと思います。