こんにちは森林の風事務局です。今回はコメダの森に植樹してある「クロモジ」がテーマです。5年前にクロモジの苗木の植樹がはじまり、今後どのような計画が展開されていくのかなどの紹介です。


コメダのお店のゆったりくつろげる秘密は、視界に入る木の割合にあります。そのくつろぎのもととなる「木」を大切にするためにコメダの森を管理しています。そしてコメダの森では木材以外で「くつろぎ」を具現化できる資源は何かという実験的な植栽をしています。その一つとして5年前に「クロモジ」の植樹を始めました。


クロモジの植樹作業と防鹿柵
新たな森林資源として「精油」などの「香り資源」が注目されています。その中でも日本に自生する数千種の草木なかで関心を集めているのがクロモジです。クロモジは環境に対していくつかの良い影響を持っています。例えば、スギなどの人工林に自生しやすく、森林の多様性を高める役割を果たします。また、比較的短期間で成長するため、持続可能な資源として活用しやすいのが特徴です。


クロモジ精油の香りとクロモジの花
また、古くから和漢薬として利用され、生薬名は「烏樟(うしょう)」と呼ばれています。さらに、養命酒のような薬酒の主成分としても使われてきました。クロモジは、香りの良さだけでなく、健康維持にも役立つ植物として注目されています。


クロモジの新芽
コメダの森にはクロモジが自生していましたが、広葉樹との競争により年々減少しています。そこで、コメダの森では防鹿柵2張分の範囲にクロモジの苗木を植樹し、その生育特性を研究しています。より効率的な栽培方法と活用方法を模索し、クロモジの持続的な活用を目指しています。


クロモジ自生地とクロモジの苗木
防鹿柵に植樹したクロモジは、5年が経過し順調に成長しています。今後は「挿し木」などの方法を活用し、さらに量を増やして育成を進めていきます。森林整備を通じてクロモジが健やかに育つ環境を整え、魅力的な「コメダの森」づくりを目指します。


クロモジアロマの香りを確認している
クロモジの持続的な活用は、森林保全に大きく貢献します。将来的には収穫したクロモジを地域資源として有効活用することで、里山の保全・整備のための資金を確保し、森林の健全な管理を促進することが目標です。この取り組みにより、森林の多様性を維持しながら、地域経済の活性化にもつながると期待しています。

