こんにちは森林の風事務局です。本日は前回も起こし頂いた横井秀一氏をお招きして
御在所岳山頂周辺において森林の風が植栽を進めている場所を見学いただき、環境と樹木の
生育及び育樹の対策についてお話していただきました。


横井先生のお話では、御在所頂上の環境は予想以上に厳しい。高木であるはずのミズナラさえ
3m位しか成長しないので、土壌も決して良くはない。その環境の中で森林の群落を再生する
ことは長い年月が必要であり、すぐに成果が現れることは期待できないとのことでした。


パッチディフェンス内も見ていただき、植栽の際には樹種別にグループ毎に分けて寄せて
まとめて植栽する。風対策として風避けの壁を設置するなどのアドバイスを頂きました。


パッチディフェンス内には植栽したツツジ、ミズナラ以外にもクマシデなどが自生していました。






午後からは、まなびの森に戻り、午前中の振り返りをしながら改めて、御在所岳山頂に
おける植栽及び育樹、そしてそれに伴う苗木生産について詳しくお話していただきました。

特に、苗木生産では、コンテナを使用する方法が良いとアドバイスをしてくださいました。
環境が極めて厳しい御在所では根が充実しているコンテナ苗を集約して植栽する方法が良い
とのことでした。

コンテナ苗とは、マルチキャビティコンテナで育成された苗を指します。
マルチキャビティコンテナとは、複数の育成孔がある栽培容器のことです。育成孔に
入れる培地には重たい土は用いずに、ピートモスなどを用い、重量を軽減しています。

コンテナは、リブによって根巻きが起こらないようになっています。また、底面が開放され
ているため、底に届いた根は成長が止まり(空気根切り、空中断根)、根切りの必要があり
ません。育成孔の形が細長くなっているので、プラグ状の根鉢ができ小さな植え穴にさし込む
だけで植えられます。
