レベルアップ研修(刃物研ぎ)inまなびの森

レベルアップ講習会

こんにちは森林の風事務局です。7月の上旬に高知県にある伝統的工芸品「土佐打刃物」の
製造、販売を中心に林業用ツール、保安用品全般を取り扱う西山商会の猪野氏をお招きして
刃物の特徴と研ぎの実習を指導していただきました。

西山商会  営業参与  猪野  裕彦氏

午前中は鉈や鎌等の道具について地域的な特徴や使い方の説明をしていただきました。

全国の刃物の特徴として、滋賀県から西日本は両刃を使い、刃部を下向きに携帯するそうで、
岐阜県から東日本は片刃を使い、刃部を上向きに携帯する特徴があるそうです。

午後からは鉈、鎌等の研ぎの実習や砥石の使い方の説明をしていただきました。

砥石の使い方の説明をする猪野氏

刃物を研ぐ理由として、一番大事なことは道具が100%の能力を常に発揮できる状態に
しておくこと。半日も使っていると刃物(鉈やチェーンソーの刃部等)の切れ味は
低下してしまいます。刃物の機能を完全に近い状態に戻せる技術を身に着け快適に
使える状況にしておくことが一番、重要なことである。

鉈の場合は切れ味が落ちると、手の振りが無意識のうちに大きくなって危険性が増します。
また、草刈り機などはエンジンの回転を無用に上げてしまいコントロールもおおまかになり
キックバックを起こす原因にもなります。

鉈の手研ぎ方には2つの方法があり、鉈を固定して砥石を動かす方法と逆に砥石を固定して
鉈を動かす方法です。鉈の形状で使い分けするそうです。どちらもしっかりと固定することが
重要です。鉈を動かす場合も固定する場合も鉈の刃を前方に向けて研ぎます。手砥石の持ち方は
半分より手前の上部を持ち、半分より前方を使って研ぎます。砥石を握っている手が鉈の刃より
先に出ないことが怪我をしない最も大切な条件です。

鎌は両刃と片刃があり、両刃は必ず両面を研いでください。鎌の場合は鎌を固定して
手砥石で研いだほうが刃が付きやすいそうです。この際、しっかりと刃を前方に向けて
固定し手砥石で研ぎます。砥石の半分より手前の上部をしっかり握り、握っている手を
刃より前方に出さないことが肝心です。研ぐと「かえり」が出ますので裏返して軽く研いで
取り除きます。

切れ味が悪くなと力任せとなり動きも直線的で動作も大きくなり気持ちに余裕が
無くなるので危険の悪循環が始まります。

車には刃物がぎっしり搭載

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