こんにちは森林の風事務局です。さて、今年の活動初日は会員の参加も多くそれぞれに活動地を分けて作業にあたったわけですが、まなびの森では薪にするべく材が多く残っていたので薪割りを行いました。また、次の活動日には予てより管轄フィールド内で道路側に傾いていて支障のあるコナラの大木を処理した際に発生した材を薪にすべくまなびの森に運び込みました。このように毎年なにかと薪の原料は集まり、薪づくりを行っています。
林野庁には「木にはカーボンニュートラルという性質があり、薪として燃やしても実質的に大気中にCO2を増加させることはありません」という定義があります。薪は木です。木は大気中のCo2を吸収し、
光合成によって生長するのはご存知だと思います。従って薪を燃やした時に出るCo2は、木が生長する期間の数十年間、光合成で吸収し固定化されたCO2ということであり、Co2の量はプラスマイナスゼロになるという理屈です。植物由来の燃料は「カーボンニュートラル」=「炭素中立」ということですね。
生き物はすべて生きている限り、Co2を排出します。よって、身近にあってすぐに再生されるもの
(ここでは木などの植物)を効率よく燃やしていくことで、環境への負荷を下げることができるということですね。薪ストーブや木質ペレットストーブなどはバイオマスエネルギーであって地球温暖化防止に寄与するという考え方です。ある研究によると、薪ストーブ1台を使うことで、ハイブリッド車5台分、太陽光発電パネル36畳分のCo2が削減できるそうです。
間伐材などは、例え燃やさなくても腐敗してCo2を発生させますが、これらを薪として暖房に用いれば、そのぶんの化石燃料の使用を減らすことになり、結果的にCo2発生を抑えることにもつながると言いわれます。しかし、間伐材の腐敗には相当な時間がかかり、その間に発生するCo2を周りの植物がゆっくりと吸収していく状態が環境に良いのであって、間伐材を燃やしてしまえばそのゆっくりとした
時間が短縮され環境に良い状態にはならないのではないか・・・という考え方もできますよね。
また、当団体では木を伐倒するにしても薪に加工するにしてもチェーンソーや薪割機を使用しており、運搬にしてもトラックを使えばガソリン等の化石燃料を使っているのだが・・そこのところは不都合な事実ということなのかな・・まあ、確かにそういうことを言い出せばきりがないですものね。
当団体の周りは別荘地が多く、敷地自体の面積も広く煙がどのように排煙されるのか、また煙は風向き次第でどの方向に流れるかなどを考慮し、近所迷惑にならないようにという配慮もあまり心配いらず、
1時間に約1~2キロの重量の薪を消費する薪ストーブの燃料費や煙突などのメンテナンス費用を気にかけない方が多いようで、薪を燃やすことで暖を取る以外に薪が燃えるのを眺めるのが好きだったりとか
薪ストーブ自体を見てその風景を楽しんでいらしゃるのではないかと思います。
本来、薪ストーブに使う薪に対しては環境問題とか温暖化対策などという言葉は持ち出すべき話ではないのかも知れませんね。