菰野富士植樹

実践林業

こんにちは森林の風事務局です。
当団体では設立時から約10,000本の植樹を行い豊かな森林を目指してきました。
しかし、全ての苗木が順調の育っているわけではありません。

(菰野富士桜植樹地)

2015年から200本以上の桜の苗木を植樹しましたが・・

菰野富士の東面に位置する通称サクラ植樹地での結果はあまりよろしくはありません。
もともとは、「菰野富士ふるさとの山プロジェクト」として
桜の景勝地となるようにと始めた事業でしたが、なかなか思うような成果が上がりません。

(苗木が育たない原因)

原因は複数あるのですが、その一つの大きな原因としては獣害です。
当該地はサルの遊び場らしく、植樹した桜の苗木を遊びながら幹をへし折っていくのです。
鹿も来るので苗木を丈夫なネットで覆うのですが、そのネットを上って遊んでいるのです。
そのため幹の成長点を折られた桜苗木は成長できず、そのまま枯れ死する苗木もあります。
サル対策はいろいろ施してみたものの、どれも決定打にはならず、今に至っています。
なかには、サルの所業に負けず大きく成長した苗木もありますが、数は少ないです。

サルに上られて歪んだネットを修繕するも・・・
サルに幹を折られてしまい成長できない桜の苗木

(シャラ(夏椿)の顛末)

2021年初春に菰野町から桜の苗木以外で植樹するよう依頼がありました。
そこで、苗木屋さんと相談したところシャラ(夏椿)が丈夫で、今までに
枯れたところを見たことがないという話しでしたので植樹することにしました。
結果、最強種と言われたシャラでもサルに幹を折られ、鹿に葉を食べられて
ほとんどの苗木が残念なことになってしまいました。

プロの苗木屋さんが最強種と言ったシャラも獣害の前ではこの有様でした。
同時期にコメダの森に植樹したシャラの苗木 実も付き順調に育っている
〇こんな状態になっても芽が出るのは凄いです  被害が少なかったシャラは全力で守ります

(最強種はミツマタだった)


ただ、一緒に植えたミツマタは全く被害がなく順調に育っているのです。
後で分かったことですが、ミツマタは名前のとおり枝が常に三つに分岐するのが特徴で
樹皮は繊細で耐伸、耐折強度が優れる、つまりサルの攻撃にも耐えうる枝であり
しかもミツマタはシカ忌避植物でした。(鹿はミツマタを避けるのです)
実はミツマタこそがこの植樹地においては最強種でした。

〇ミツマタには被害はありません  〇3年前に他の場所で植樹したミツマタ(開花の様子)

どうやら現在の菰野富士サクラ植樹地の環境に適合するのはミツマタだけのようです。
2021年の春より当該地も「企業の森」の範囲内に組み込まれました。
新たに当該地の獣害及びその他の課題に挑みたいと思います。(その他の課題はまたいつか・・)
それでは今回はこの辺りでお終いです。

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