担当者のコメント
この森は桑名茅ヶ崎西部の嘉例川の近くに位置する2.9haのエリアです。昭和30年代頃までは近隣住民の生活に密着した里山であり、薪材の採取をはじめ、アカマツも多く自生していたので松茸も豊富に採れたということです。
平成24年11月よりTSテック㈱鈴鹿工場が三重県提唱の「企業の森」事業に参画し、「全世界で事業活動を営むため、地球から借りた敷地面積を新たな緑地化の推進や自然保護活動などを通じて緑を地球に返す」ことをコンセプトに掲げて整備施業を開始し、平成29年からは第2期に入っています。
住民の.生活態様の変化と共に長期にわたり放置されてきたこの森は、施業当初には他の里山と同様に林内は暗く一面笹に覆われて踏み入ることも困難な状況でありました。作業道を作りながら草刈りや間伐を進める中で、豊富な樹種を生かそうと樹種ごとに杉ゾーン、ウリハダカエデゾーン、孟宗竹ゾーンとして保全に努めています。また、生物多様性の面からも興味深く、桑名市指定天然記念物のヒメタイコウチや希少種のホトケドジョウが生息する水場も近くに在ります。TSテックの社員さん達も毎年11月に開催する社員参加イベント時には多数参加され、歩道整備やノコギリ間伐に携わっていただいています。
里山は人間との関りがあってこそその豊かさが保てるものです。今は孟宗竹ゾーンからのタケノコの恵がありますが、将来の「松茸山再生」を目指して整備活動を続けていきます。