アカガシの森とキリシマミドリシジミチョウ

調査研究

菰野富士はアカガシの森づくりには適していなかった

こんにちは森林の風事務局です。
さて、キリシマミドリシジミチョウを復活すべく、菰野富士の一角にアカガシの森をつくる
ことになった訳ですが、そもそも菰野富士にアカガシが自生しているのかということですが、
実は今のところ3本発見しています。しかし、そのうちの1本は瀕死の状態です。アカガシの木の周りにも
アカガシの実生も見当たらず、アカガシにとってはお世辞にも最適な環境とは言い難いようです。

菰野富士で見つけたアカガシの木です。 右端のアカガシは元気がありません


アカガシは標高400m以上に自生すると言われています。
菰野富士の標高は頂上でも360m位、植樹した場所は290m位とアカガシが育つ環境には全く不利な状況です。
しかし、菰野富士での試みという絶対条件がありますので他の場所に変更することもできず
一応、防鹿柵を張りアカガシの苗木を植えてみたのですが、案の定、全滅してしまいました。

約50株が枯れ死してしまいました

最初から生育には条件の悪い場所と感じていたので、植えただけでは育つはずもない。
ということで、今後の対策も考えて具体的なデータを収得することにしました。

当団体には、いろんな経歴を持つ人が多く、某化学研究所で長年に渡って務められた
会員もいるのです。その方のアドバイスにより本格的に器材も揃えて菰野富士の土壌分析から
始めることにしました。

様々な検証データはありますが、(正直、専門家以外は理解できないんですけどね・・)
結果をまとめた部分だけをを紹介します。

その結果に基づいて土壌改良を施し、2回目以降の植樹は枯れ死することなく成長し
大きいものでは3m近くまで育っています。土壌改良の要点をまとめると
木炭を使いpH5~6の弱酸性で保持、培養土により不足している栄養分を補いまた、
アカガシが長時間にわたり陽光が当たるように周りの木を伐採し、
樹勢を高めるために伐採した広葉樹をチップにして植樹地に敷きました。


しかし、やはり標高の温度差は埋めれないのか、成長したアカガシの様子を見ていると
何かしら弱々しさを感じます。
無事に育ってくれれば良いのですが・・そんなこんなでアカガシの森づくりは現在も継続中です。

今回はこの辺りでお終いです。
キリシマミドリシジミチョウの話はまた、次回以降にお伝えしたいと思います。

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