温暖化抑制に貢献?ハンノキinコメダの森

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こんにちは森林の風事務局です。コメダの森にはケヤマハンノキが自生しています。
ケヤマハンノキはカバノキ科ハンノキ属の樹木で日本各地に分布するさほど珍しい木ではありません。
ハンノキのほとんどが侵入木で環境が合えば勝手に自生するようです。伐採されたその後の使い道は
大部分がチップ材になるそうです。しかし、木の器にすると桜の木で作った風合いになるようです。

コメダの森のケヤマハンノキも谷筋の湿った場所でいわゆるガレタ感じの場所にケヤマハンノキ林があります。落葉樹でありながら紅葉せずに緑色のまま落葉する変わった特徴があります。また、根に微生物との共生による根粒を形成し大気中の窒素を栄養分として取り込ませる能力があるようです。(窒素固定能力)

この能力が温暖化抑制にどうつながるのかというと、温暖化を引き起こす原因としてCO2濃度の上昇があげられますが、皮肉なことにCO2の高濃度の環境下では樹木の成長はある程度、促進されます。また、その成長を持続させるためには土壌に窒素養分が充分にあることが必要だそうで、ハンノキのような窒素固定能力がある樹木が土壌に対して窒素供給源として期待されているとのことです。
何かすごい繋がりですね・・・

また、ハンノキは早生樹としても認識されています。早生樹とは成長が速くて二酸化炭素(CO2)の吸収量が多いため、地球温暖化防止に寄与すると注目されています。早生樹の代表的なものはセンダン、コウヨウザン、早生キリ等があります。少なからずも早生樹は当団体も注目しています。もし機会があれば取り組めれば良いなと思っています。いずれ早生樹についてのお話しをするかと思います。

使用されなくなった町民プールの内に何故かセンダンが自生している
ハンノキ林の周りにはミドリシジミチョウが好むウツギなどが自生している

そしてハンノキはミドリシジミチョウの幼虫の食樹です。ミドリシジミチョウは翅がエメラルドグリーンに輝く美しい蝶で比較的低地でもみられるそうです。菰野町と言えば天然記念物のキリシマミドリシジミチョウの方が有名ですが、残念ながらコメダの森の周辺にはアカガシの木がところどころには見受けられますが、単体が多く林と呼ばれるようなまとまった空間はありません。(アカガシの木はキリシマミドリシジミチョウの食樹です。)生息地の環境としてはまだまとまったハンノキ林があるミドリシジミチョウのほうが可能性はあるかと思いますが・・・まだ現地で見たことはありません。

ミドリシジミチョウ  (写真のリンク先 https://www.choublog.site/)
ミドリシジミチョウ (写真のリンク先 https://www.choublog.site/)
こちらは三重県の天然記念物 キリシマミドリシジミチョウ   (三重県菰野町産)

ハンノキは特に綺麗な花が咲いたり、紅葉したりと華やかな変化もない地味な存在かもしれませんが
掘り下げていくとそれなりに面白い樹なのかもしれませんね。


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